富士山に登ろう

 静岡出身者としては、富士山はそこにあって、愛でるものなんですが、死ぬまでには登ってみたいなとは思っていまして、海外旅行には行けないし、と悶々としていて、思い立って行ってみることにしました。

普段から登山をする人ではないため(むしろ運動すらしない)、一人で登れるはずもなく、ガイド付きツアーを申し込みました。

tour.vipliner.biz

最初は名古屋発があったので、それに申し込んだのですが、人数が少なく催行されないとのことで、東京発に切り替え。往復新幹線代が余分にかかりましたが、ここでキャンセルしたら、次にいつ行こうと思うか分からないので、そこはケチらず。

新宿駅で集合して、バスで5合目に向かいます。ほぼバスは満員。ガイド付きの人も、フリープランで仲間で登る人もミックスです。

7時集合、10時ごろに5合目到着。(途中で談合坂で休憩)

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ここで準備と体を慣らすということで1時間弱自由時間があります。

私は装備をレンタルしており、提携の富士山みはらしでピックアップし、荷物の入れかえ、着替えをしました。女性は地下に小さな更衣室があります。

さすがに何か胃に入れておいたほうがよいよね、と思い、2階のレストランへ。カレー…は気持ち悪くなりそうなので、うどん。お値段は山価格かな。スキー場を思い出します。
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11時前は、下山した人とこれから登る人とちょうど混在している時間帯。
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富士山うどん(800円)は、かまぼこに富士山、ちくわの海苔には富士山世界遺産という文字が書かれています。つけあわせに七味?が添えられているのですが、刺激物は控えたので試さず。味は普通のおうどんでおいしかったです。
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建物の表には、ツアー客用のインフォメーションボードがあります。天気は問題なさそう。
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私のグループは女性のみ(珍しい!)で、みなさん20‐30代ぐらいで、15人程度。ガイドさんが一人つきました。明らかに私と同じ初心者っぽい人もいて安心(笑)

最初に基本的なことを説明してもらい(靴の確認、歩き方、ポールの使い方など)、出発。

まずは6合目まで。すごくゆっくり歩くんだなと思いましたが、このペースが高山病対策とのこと。小さいころに家族で山には行きましたが、大体高山病で頭が痛くなるので、それは何としても防止したい!ということでとにかくゆっくり、息をはいて進みます。
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6合目から先はだんだん坂が見えてきます。雲がありますが、今回は雨に降られずラッキーでした。風があるので、すぐに雲が来たり離れたり、景色が変わるのが早くて面白いです。
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絶妙のタイミングで休憩が入りながら、7合目。自称、富士山のセブンイレブンの山小屋(笑)
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7合目には名物のクリームパンがあるとのことで、買いました!(300円)。甘いものが滲みる。ここから先は岩場です。岩場は本当につらかった…手を使い、スティックで体を支え。慣れている人と初心者の登り方は見ていると全然違うなー。
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ひいひい言いながら、3000m地点に到着!ここではきれいにやまびこが聞こえるとのことで、みんなでやっほーを叫びました。本当に声が返ってくる!
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上をみると小さく見える山小屋たち。本当にあそこまで行けるのかしら…と思いつつ、ガイドさんの言うように、ただ登ることを繰り返すだけで、到着!

11時30分ごろ出発し、17時30分ごろ到着です。6時間も登っていたとは思えない。時間の感覚がおかしい。あっというま。
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到着して荷物を降ろしたらすぐにお夕飯。中は感染対策ばっちりです。
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区画にはお夕飯のカレーとデザートの水ようかんとドーナツ。温かいお茶が嬉しい!(さすが、高カロリーの食事)
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袋の中には翌日の朝食セットです。保存食がメイン。ペットボトルのお水がある!

ガイドさん曰く翌日は2本ぐらいを持っていけば、山頂まで行って下山するには足りるとのこと。重すぎる装備は逆に負担というのがよくわかります。よく考えたら登山家はみなさんミニマリストだ。
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ちょうど日の入り前で、ちょっと涼しく青い空がきれい。上は深夜に登る先…同じグループの方も同意見でしたが、上を見ても頂上は全然見えないし、登っている間はいわゆる「富士山」の形が見えないので、だまされて違う山に登っているのでは?と思っちゃう。
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雲が美しい。隣では宴会していました。山小屋でもアルコールが購入できるのは知らなかった。
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18時半ぐらいには寝て、起床は0時。途中で23時ごろにトイレで起きたら、夜景が見えました。空は星空が本当にきれいでした。久しぶりにこんなに星を見たなあ。
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さて、0時起床、0時半出発です。山頂まで約3時間。同じぐらいの時間帯にみんな出発です。しかし、寒い。最初はダウンを着ないでいましたが、動いていてもどんどん寒くなって途中で追加。ガイドさんも「今日は冷えるね、ダウンの上にフリースを追加しちゃったよ」と言っていました。途中の休憩でじっとしていると、どんどん体が冷えます。

登山している人もどんどん増えて、渋滞してきました。のろのろと進むので休憩しながら登っている感じです。上を見ても下を見ても、登山客のヘッドライトが見えてきれい。
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最後、頂上手前で岩場があります。これがつらかった。同じグループの登山経験者の方も、ここで急にばてて、ちょっと休んでいました。

そして何とか到着!3時45分ごろでした。ちょうど空が明るくなり始めたころ。
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ここまでくるとご来光まですぐ。
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ガイドさんが山口屋さんに席を確保してくれて、ここで一息。せっかくなので豚汁をいただきます。800円。おでんと同じ金額。高級だけど、これこそプライスレス、だよね。冷えた体に染み渡って、おいしかった!

ちなみに下の木の札は、富士山保全協力金を支払うともらうことができます。ガイドさんのおすすめで、この木札の裏に、頂上の神社に印を押してもらいました(300円)。
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ちなみにツアー会社から登頂証明書というのがもらえます。実際は登頂後に時間がないし、天候で配布できない可能性もあるから、山小屋でもらいましたが(笑)下の登頂記念の用紙の裏側に、自分の名前とガイドさんの名前がちゃんと書かれています。

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ほっと一息ついていたら、すぐに太陽が昇ってきます。神社の前で皆さん撮影中。でも下山道前の鳥居のほうが、邪魔なものがなくてきれいに見えるよ。神社では君が代が流れますが、山小屋前では歌の富士山が流れていました。やっぱりこっちじゃない?
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山口屋さんでは火傷するぐらい熱い缶飲料が買えます。400円。カイロ代わりになってよいとのこと。グループの一人は、岩場と寒さで体調が急変していたので、気温の変化への対策は、富士登山では舐めてはいけないようです。下は熱中症、上は低体温。
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下山道前では雲海が見えて、本当に美しかった。
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海外の方も結構いました。あまりの寒さによく見ると地層に氷柱。
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時間がなくてお鉢巡りは無し。太陽が昇るとすぐに明るくなって、気温が上がります。さっき寒さでガタガタしていたのが嘘のよう。
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帰りは、何度もルートを間違えないように、とガイドさんに注意されて個人で下山。
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帰りはとにかく砂に滑りながら降りていきます。最初は慣れなくて苦戦しましたが、解散後はだんだん降りるのが面白くなってハイになってたと思う(笑)
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下山ルートは山小屋もなく、9時半過ぎに5合目に到着。11時に帰りのバスが来て、温泉→東京駅のルートで帰宅。自分へお疲れ様!ということで、以前から食べてみたかった牛肉どまん中弁当のお夕食。
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さて、月曜日からはひどい浮腫みと、筋肉痛に1週間悩まされるのでした(笑)

ただ、山はシンプルで面白いと思いました。ただ登れば頂上に着く。仕事のもやもやと比較すると、自分の呼吸と水分補給と足を出すことに集中するだけ。なんてシンプル。また富士山登りたいなと思いました。ちゃんとシューズを買って、低山の登山から始めようかな。